名古屋フォーラム総括
2018-07-10


 日本商工会議所主催「第7回商工会議所経営指導員全国研修会」(全国フォーラム@名古屋)を無事終えた。例年のことだが、研修意図に基づいて課題を設定するのは、なかなかの負荷だ。とくに今年は膨大な演習用数値データを作成しなければならず、なおさらだった。それでも時代背景と商工会議所に期待されている役割(たとえば経済産業省「新産業構造ビジョン」)とを考えれば、誰かがやらなければならない作業だ。そのような意味で、今年は例年以上の強い使命感と覚悟とをもってお引受けした。

《意図》
 持続化をはじめとする補助金の申請支援もあり、伴走型支援のうち状況分析から計画策定まで(つまり伴走型支援の前半工程)は多くの商工会議所でおこなわれるようになってきた。しかし、その後の計画実施支援(後半工程)についてはほとんど未着手状態である。
 また現在、国の最重要施策のひとつとして「IT導入補助金事業」がおこなわれているが、商工会議所の取組みは今ひとつ弱い。しかし上述の「新産業構造ビジョン」や「小規模企業白書」を読めば、もはや待ったなしの状況であり、ITは苦手だからと逃げていることは自らの存在意義を否定することにも成りかねない。
 そこで「データ分析」の演習をおこなうことで、@データ分析が有効な経営支援になること、Aそれはまた計画実施支援の具体的手法となること、を理解していただくことを意図した。

《先進事例発表およびパネル・ディスカッション》
 いくつかの基本的講演に引き続いて、竹原商工会議所(POSデータの共有による遠隔モニタリング)と横須賀商工会議所(GISを活用したエリア・マーケティング支援)による先進支援事例の発表およびパネル・ディスカッションをおこなった。
 竹原商工会議所の事例は、経営指導員減少という制約条件のなかで、合理的かつ効果的な経営支援手法を示唆する
 また横須賀商工会議所の事例は、小規模事業者が単独で契約するには高価であるGIS(地理情報システム)を、公益性のある商工会議所が契約し活用する仕組みであり、小規模事業者にとって有益であるだけではなく、商工会議所にとっても新たなビジネスモデルを示唆する内容だった。
 二者の内容はまったく異なるが、どちらもデータ活用の定番であり、データ活用の幅広さを理解してもらえたのではなかろうか。

《グループ演習》
 3つの課題について事前にデータ分析をおこない、当日は分析結果をグループ・ディスカッションする形式でおこなった。課題の出題意図は次のとおりである。
【課題1】 アンケート結果をクロス分析することで、回答者を構造化すること。これは顧客満足度調査などの分析支援に必要な手法である。

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[経営支援]

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