正しく恐れる(5)
2020-04-07


諸外国の悲惨な状況をそのまま日本に当てはめるのは根拠がないだろう。
 だからといって何をしてもいいわけではない。いわゆる3密(密閉・密集・密接)の状況には出かけないのは当然だが、しかし家に閉じこもっていれば社会が崩壊しかねない。適切に出かけて消費活動をすることは、社会システムを崩壊させないために重要なのだ。今のところ、政府が大型予算を組んで経済支援にあたることになっているが、それだって税金であり、赤字国債を増やすことになるのだ。今回のウィルス騒動はある意味で自然災害だから、ある程度の財政悪化は仕方ないかもしれない。しかし、そのツケは若者たちに回されることになる。動ける人々が無理のない範囲で、少しでも普通の社会生活を送ることが、社会システム維持には必要なのだ。

 リスクを恐れてパフォーマンスを落とすのはリスク管理ではない。リスクに重みをつけて合理的に回避しながらパフォーマンスを維持することが正しいリスク管理だ。
 冷静になって考えてほしい。無症状や軽症の感染者が増えて、どれほどの問題があるのだろうか。重症化した際に安心して医療機関で治療できて完治できるなら怖くはなかろう。無症状の感染者が、自分でもそれとは気づかず出歩いて他人にうつすかもしれない。それでもまた8割程度は無症状か軽症なのだ。注意するとすれば、基礎疾患をもつ高齢者や乳幼児に感染させないことくらいだろう。
 経済へのダメージを最小化しつつ、死亡者を最小にする・・・これを実現するためには、ゆっくりと感染拡大していくことが現実的なのだ。

※ 以上、日本における現状をベースにした考察であり、諸外国が同様に考えられると主張するつもりは毛頭ない。 

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